safflower’s diary

日々考えていること

海とか陸とか

この記事を見ながら思ったこと。

http://toyokeizai.net/articles/-/171848


水野和夫氏の本に、16世紀「陸の国」スペインから「海の国」イギリスに覇権が移り、水野和夫氏の本に、16世紀「陸の国」スペインから「海の国」イギリスに覇権が移り、世界の海を制したイギリスによって政治・経済システムが一新され資本主義の・主権国家へと変わっていった、とある。

資本主義の終焉と歴史の危機 (集英社新書)


この経済学的側面から見た「海の国」「陸の国」というのは、いまいち分かりにくいのだけど、地政学でいう「シーパワー」「ランドパワー」に相当するとして考えると分かりやすい。

イギリスに移った覇権は、その後これまたシーパワーのアメリカが引き継ぐ。そしてリーマンショックを皮切りにアメリカ一極集中が崩れ始め、世界が多極化してきている。

多極化と言いながら、大局的に見るとまるで「シーパワー」対「ランドパワー」のように見える。
ランドパワー国家、中国とロシアが手を結んでシーパワーのアメリカに対抗。
ヨーロッパは地政学的にはユーラシア大陸から飛び出る半島。半島は日和見、陸と海を見ながらどちらに着くか考える。EUは一応シーパワー側に属しているが、最近はEU内での意見の相違が目立ち、純粋なシーパワーであるイギリスは離脱を表明。フランスも離脱したらますますEUが分裂して、ランドパワー的側面が強いドイツが中露とますます接近するか…と危惧したが、とりあえずフランスのEU離脱は免れた。

(地政学で言う「ランド」とはユーラシア大陸を指す。よってアメリカも島国になるらしい。当然日本は島国であり、やはりシーパワー。ちなみに東アジアにおけるランドパワーとシーパワーの境界線が38度線。)

「海の国」「陸の国」という経済学的意味合いと、「シーパワー」「ランドパワー」という地政学的意味合いが完全にリンクするのかは分からないけど、グローバリズムの逆流と資本主義の限界が囁かれる今、ランドパワーが台頭しつつあるのは偶然なのだろうか。